Windows Server を VPSにインストールするのはライセンス違反か?

2012/09/20追記
aakxさんのコメントによると以下の理由でライセンス違反となるようです。

パッケージ版や VL 版 Windows Server OS などは、「お客様」のサーバーに対して、
ライセンスを割り当てることが許諾されております。

これも、EULAに書かれていないことなので、はっきり言って良く分かりません。
日本語版や英語版のEULAのどこにそのようなことが書かれているのでしょうか。EULAに書かれていないことで制限を受けるのは理不尽な気がします。

まあ、大人の事情でそういうことなのでしょう。
個人的にはあまり納得出来ないことではありますが、念のため、この記事は訂正します。



予め法律の専門家ではないことを断っておく。

新しいサーバーのためのVPSサービスを探していて、気になる記述を見つけたので調べてみた。
お名前VPSのFAQだ。

Q. WindowsServerは利用可能ですか?
A. 弊社VPSでのWindowsのご利用につきましては、技術的には動作しますが、Windowsの提供元であるMicrosoft社のライセンス違反となってしまいます。(お客様が正規のWindowsライセンスをお持ちの場合も同様になります)

http://www.onamae-server.com/support/faq/vpskvm/common/common_34.php

えええええええ。

いやいや、そんな理不尽なライセンスは存在しないでしょう。
確かにデスクトップ版Windowsは仮想環境では実行出来ないという制限があったらしいが、Hyper-Vとかでの仮想化を考慮されているWindows Serverでそんな制限が果たして存在するのだろうか。(某林檎のOSはそんなこともあるらしいが)

と言うわけで調べてみた。
調べる対象は、Windows Server 2008 R2 Enterprise の license.rtfだ。

日本語において、恐らく該当すると思われる条項は以下の通りだ。

10. ライセンスの適用範囲 
(中略)
お客様は、以下を行うことはできません。
(中略)
• 本ソフトウェアを商用ソフトウェア ホスティング サービスで使用すること。

いつものごとく意味が分からない。
『商用ソフトウェアホスティングサービス』って何ぞや。まあ米国等のフォーラムでもこの部分の解釈は分かれているっぽいが、今回は「商用WEBホスティングサービス」を意味するとして解釈してみる。
それでも意味が分からないのが「で使用する事」の「で」である。もし、ホスティングサービス上で使用するのが不可能なのであれば、一般的に行われているWindows Server上で構築された自社基幹システムのサーバーをデータセンターに置くということは、すべてライセンス違反ということになる。これはどうも筋が通らない。

そこで、英語版を確認してみる事にした。

10. SCOPE OF LICENSE.
(中略)
You may not
(中略)
• use the software for commercial software hosting services.

これを翻訳すると、「本ソフトウェアを商用ソフトウェア ホスティング サービスのために使用すること。」となる。まあこれも曖昧な条項ではあるのだけれど、ニュアンスとしては商用ソフトウェアホスティングサービスを提供するために使用する事を禁止しているのであろう。少なくともホスティングサービス上で使用する事を禁じているわけではなさそうだ。(もしホスティングサービス上で使用する事を禁じているのであれば「for」ではなく「on」または「in」となるはずだ)

いつものごとくMS日本法人のわかりにくい日本語訳が混乱を招いている典型例であろう。
きっとこのことをMS日本法人の担当者に尋ねても確かな答えは返ってこないはずだ。担当者毎に言う事が違うというのが関の山であろう。

ちなみに、GMO(お名前VPSのサービスをやってるところ)の視点からみれば、ホスティングサービスを提供するためにWindows Serverをインストールしているともいえるのかもしれないが、そもそもEULAはMSとソフトウェアの使用者との間の契約である。(license.txtより引用)

本マイクロソフト ソフトウェア ライセンス条項 (以下、「本ライセンス条項」といいます) は、お客様と Microsoft Corporation (またはお客様の所在地に応じた関連会社。以下、「マイクロソフト」といいます) との契約を構成します。

したがって、GMOとWindows Server使用者、また、GMOとMSは無関係である。もし仮にいかなるMSのソフトウェアをインストールしても、それがGMOとMSとの契約になるのであれば、こちらにライセンスなど不要である。そんな論理は通らない。

というわけで、ライセンス上は問題ないはずである。ただ、日本語のEULAに同意した場合、曲解によりライセンス違反とされてしまう場合はあるかもしれないので注意が必要だ。

まとめ

  • Windows Server 2008 R2 Enterprise 英語版をVPSにインストールする→OK
  • Windows Server 2008 R2 Enterprise 日本語版をVPSにインストールする→△ (日本語版のEULAは禁止とも解釈ができる。MS日本法人が金策に困った場合、訴訟の餌食になるかも)
  • VPSにインストールしたWindows Serverで商用WEBホスティングサービスを提供する→NG

「Windows Server を VPSにインストールするのはライセンス違反か?」への3件のフィードバック

  1. 日本マイクロソフトに問い合わせてみました。

    パブリッククラウド、VPS等共有ハードウェア環境にお客様がパッケージ版やボリューム ライセンス (VL)
    版にて所有されている Windows Server OS、Windows Client OS を導入することは許諾を
    超えたご利用にあたる為、できません。

    パッケージ版や VL 版 Windows Server OS などは、「お客様」のサーバーに対して、
    ライセンスを割り当てることが許諾されております。

    従いまして、お客様専有のハードウェア (ハウジング型のサービスなど)であれば可能で
    ございます。

    とのことでした。

    1. コメントありがとうございます。
      なるほど、そういうことなのですね。

      とはいえ日本語版・英語版EULAのどこを読んでもそんな風には読めないのが厄介です。
      たとえば、EULAのどこかに「お客様所有のデバイス」などの文言があればまだ納得出来るのですが、そのような文言は存在しません。(一方、TechNetサブスクリプションのEULAには存在します)

      せめてどのライセンス条項が根拠なのかが分かれば良いのですが。
      いずれにしても、理不尽なライセンス条項であることは確かだと思います。

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